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教化学研究3 現代宗教研究第46号別冊 2012年03月 発行

服装の崩れは心の崩れ ─法服の乱れは、宗門の乱れ─

服装の崩れは心の崩れ ─法服の乱れは、宗門の乱れ─

遠 藤 了 義

今から十年ほど前に、東京女子大教授林道義先生が、新聞コラムに日本人の服装が崩れている。「乱れ」というよ
り「崩れ」というべき現象である。服装だけでなく態度も崩れている。

こうした「崩れ」の現象は、心の崩れを表している等々と述べていた。十年も前のことである。

さて、宗門の教師の服装はどうであろうか。今回は、礼装は別として常服について論じてみたい。

宗制第二十三号法服規定並び、第一表、第二表、第六条別表、第一図、第二図等の規定があるが、おそらく読んで
いる教師は少ない(二枚添付)

第七条常服の道服及び、布教服は黒色とする。但し茶色、又は墨染色のものとあるが、本山の貫首様はもとより、
若い教師も時折、これ以外の道服を宗門法要を始め、入寺、本葬等正式の場に於いても、着用しているのをみかける。

特に洋服の場合は、ワイシャツは白、ネクタイは無地とある。第六条、第二項、折五条には僧階章をつけるものと
する。折五条に僧階章を付けていない者や、宗章紋は直系四センチとなっており、これ以外は規程違反である。

特に、大講師以下の教師は、茶金の折五条を付ける事は出来ないはずであるが、茶金の折五条に紫に白線の僧階章
を付けてる教師がいるが、お笑いである。

女性教師の洋服法衣の布教服の下に着る法服規程が記していないので考察下さい。(下は白いブラウスとか)

念珠も常服の場合は、勤行数珠と規程にはあるが、偉らそうに半装束数珠を持っている教師もいる。

自坊での場合は何でも良いと思うが(本当はいけない事だが)正式の場所に出る場合は、規程がある以上それを守
ってもらいたいものである。守れない、又は守らないような規程なら改定するなり、廃止してほしいものである。

今回は法服規程(常服)のみ論じたが、宗規宗制にはいいかげんの所が多いので、宗会議員さんも考えてもらいた
いものだ。

宗門全体に折り目の正しさが失われている。服装を正せば、ただちに心が正されるという簡単なものではないが、
宗務当局や役職にある者から、せめて規程を守っていってもらいたい。

自分の服装(法服)を点検してもらいたい。服装の崩れは心の崩れを表しているからであり、法服の乱れは宗門全
体の乱れではないのか。立正安国・お題目結縁運動も、教師の服装から正していく事が、肝要ではないでしょうか?
合掌

 

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