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現代宗教研究第41号 2007年03月 発行

平成十八年度現代宗教研究所事業報告

 

平成十八年度現代宗教研究所事業報告
1、教化研究会議
【1】第三十九回中央教化研究会議
  期  日 平成十八年九月六日(水)・七日(木)
  会  場 日蓮宗宗務院
  宿  舎 品川プリンスホテル本館
  参加人数 一三五名
  資料展示 教区教研や教化センターが作成・発行した教化資料・発行物の展示を、受付開始時刻よりおこないました。
  テーマ
   日蓮宗の教化学を考える—多様社会を共に生きる
  開催趣旨(開催要綱原文のまま)
    昨年の中央教研は、戦時下総括として戦前の宗門を検証しました。そこには評価は別として、一時代を画した日蓮主義のプランナー(企画立案者)がいました。戦後六十年、これに匹敵するプランナーが見当たりません。文化・宗教・民族などの多様化が進む日本で、違いを認めつつ共生する方策が求められています。これから宗教法人に求められる公益性のうえからも、いま考える必要があるのではないでしょうか。バブル経済崩壊後の日本は格差が広がったと言われ、江戸時代が見直されています。山本一力氏の直木賞作品『あかね空』から、家族や世間が肩を寄せ合って生きる江戸に、共に生きる社会が見えます。その中のお坊さんの役どころから、現代の宗門が社会から求められているものを見出したいと思います。山本氏は昭和二十三年生まれ、団塊の世代でもあります。十六年前に現宗研で講演した石川哲也氏に、対談の形で、この間の宗門の変化や、日蓮宗檀徒としての要望を語ってもらいます。講演と対談を受けて、三分科会で、法華経で共生は可能か、まず聞こう、受け止めよう、という姿勢は必要ないのか、社会は坊さんを求めているのか、を語り合い、日蓮宗教化学の構築をはかりたいと思います。
  開催方式(開催要綱原文のまま)
   ①講演 山本一力氏(時代小説家)
       「江戸から現代をみる—『あかね空』
永代寺僧西周の役どころ」
   ②対談 石川哲也氏(プランナー)
       田澤元泰師(現宗研所長)
       「企画からみた教化」
   ③講演と対談を問題提起として、現宗研通年研究調査事項に連動した3分科会に分かれ、
     1.現代と教学…共生とは?(一般社会・浄土思想・法華経)
     2.教団・教化…宗門 新たなる前進—我々は変わらなければならない—
     3.現代社会…今、社会は坊さんに何を求めているか
    の視点から検討し、具体的な提案にまとめます。
   ④全体会議で三分科会の報告を聞き、テーマ「日蓮宗の教化学を考える—多様社会を共に生きる」にまとめます。
   ⑤各教区教研会議報告書や討議資料、管区並びに教化センターで作成された教箋等の教化資料を展示し、教化情報のコーナーで宣伝します。各寺院教会結社や個人有志で発行のものは、各管区(教化センター)に委託してください。
  日  程
   第一日目 九月六日(水)
    受  付  一〇時〇〇分
    開 会 式  一〇時三〇分
    講  演  一一時〇〇分〜一二時三〇分
    昼  食  一二時三〇分〜一三時三〇分
    対  談  一三時三〇分〜一四時三〇分
    移  動  一四時三〇分〜一四時四五分
    分 科 会  一四時四五分〜一七時〇〇分
    移  動  一七時一五分
    夕 食 会  一八時三〇分〜二〇時〇〇分
   第二日目 九月七日(木)
    朝  食
    移  動   八時〇〇分
    分 科 会   九時〇〇分〜一二時〇〇分
    昼  食  一二時〇〇分〜一三時〇〇分
    全体会議  一三時〇〇分〜一四時〇〇分
    閉 会 式  一四時〇〇分〜一四時一五分
    解  散  一四時一五分
  参加者 
   教区教研運営委員、或いは内容に関心がある教師(管区一名必ず参加のこと。二名以上参加ご希望の場合は、宗務所からあらかじめ日蓮宗現代宗教研究所へご一報ください)。
【2】教区教化研究会議
  十一教区にて開催。日時・テーマは次の通りである。
  ●第二十六回九州教区教化研究会議
   六月十四日〜十五日 大分県大分市大分東洋ホテルにて開催
   基調講演「理想主義の減退と再宗教化 若者と宗教」貫名英舜師(静岡県常泉寺住職)
   第一分科会「情報化社会と宗教」
   第二分科会「宗教と生命について」
   第三分科会「お題目の伝達方法」
  ●第三十六回近畿教区教化研究会議
   六月二十三日 大阪府豊能郡浄るりシアターにて開催
   テーマ「3時間でわかる立正安国論」
   講義「3時間でわかる立正安国論」
難波宏正師(大阪府本養寺住職)
   パネルディスカッション「宗門運動としての立正安国」
難波宏正師(豊 能)
村田龍学師(和歌山)
三木天道師(京都一)
有本智成師(大阪市)
松本圭明師(三 島)
  ●第三十回中四国教区教化研究会議
   六月二十六日〜二十七日 山口県下関市下関グランドホテルにて開催
   テーマ「布教の最前線—世相の変化に合った布教法とは?」
   基調講演「お寺を地域のぬくもりのある拠点として蘇らそう」
伊藤立教師(現宗研主任)
川久保昌耕師(山口県妙法寺住職)
   第一分科会「少子高齢化、過疎化、核家族化等の社会情勢の変化にどう対応していくか」
        (信仰をどう勧めてゆくか、どう伝えてゆくか)
   第二分科会「自殺者の増加、子供への虐待等、命を取り巻く環境の変化にどう対応していくか」
(命の尊さをどう伝えてゆくか)
   第三分散会「これからの檀信徒の組織化にどう取り組んでいくか」
(檀信徒の減少に対応してゆくには)
  ●第三十回北海道教区教化研究会議
   八月二十三日 北海道帯広市法華寺にて開催
   テーマ「これからの寺院運営を考える〜お寺に求められるものとは〜」
   基調講演「経済学の視点からみるお寺の存在意義と将来の展望」
中島隆信氏(慶應義塾大学商学部教授)
   パネルディスカッション
   全体会議テーマ「過疎問題について」
  ●第二十五回東北教区教化研究会議
   九月十二日〜十三日 山形県山形市ホテルメトロポリタン山形にて開催
   基調講演「お寺を地域のぬくもりのある拠点として蘇らそう」
伊藤立教師(現宗研主任)
       「過疎対策への提言」
柘植海潮師(宮城県蓮華寺住職)
   分散会
  ●第二十三回北陸教区教化研究会議
   十月二十七日 新潟県上越市ホテルハイマートにて開催
   基調講演「宗門運動『立正安国・お題目結縁運動』実働にむかって〜私たち教師一人一人に何ができるのかを模索する〜」
浜島典彦師(東京都修性院住職)
   分散会
  ●第三十回中部教区教化研究会議
   十月二十七日 長野県松本市ウェルサンピア松本にて開催
   テーマ「二十年後、日蓮宗寺院は生き残れるか—少子高齢化への対応—」
   基調講演「早くない!『寺・コミュニティーの再生』を考える」石川哲也氏(読売エージェンシー・シニアディレクター)
   第一分科会「これからの寺檀制度のあり方」
   第二分科会「若者の宗教意識」
   第三分科会「宗門寺院を取り巻く環境の変化」
  ●第三十一回山静教区教化研究会議
   十一月二十日 静岡県伊豆の国市ホテルサンバレー富士見にて開催
   テーマ「環境の浄化は心の浄化」
   事前説明「なぜ日蓮宗が環境問題に取り組むのか」伊藤立教師(現宗研主任)
   基調講演「ヒマラヤ・富士山清掃活動」
野口健氏(アルピニスト)
   パネルディスカッション「環境問題に取り組む現場」
   パネラー
吉田尚英師(東京都永壽院住職)
内藤歓風師(静岡県朝善寺住職)
          長谷川昌代氏(静岡県地球温暖化防止活動推進委員)
小池満氏(三島市環境企画課長)
   コーディネーター
松井大英師(静岡県了仙寺住職)
  ●第三十一回京浜教区教化研究会議
   平成十九年二月十四日 東京都台東区正法寺にて開催
   テーマ「本化律を見つめて—元政上人から続く本化律の系譜、そして今。—」
   講演一「元政上人から近代に至る本化律の系譜」
中村潤一師(福岡県真浄寺住職)
   講演二「私の中の本化律」
都守健二師(千葉県日本寺住職)
   パネルディスカッション
   パネラー
都守健二師(千葉県日本寺住職)
中村潤一師(福岡県真浄寺住職)
伊藤立教師(現宗研主任)   
  ●第十三回北関東教区教化研究会議
   平成十九年二月十九日〜二十日 栃木県日光市あさやホテルにて開催
   テーマ「崩壊する檀家制度、新しい寺院の活動に向けて」
   基調講演「崩壊する檀家制度、新しい寺院の活動に向けて」
浜島典彦師(東京都修性院住職)
   分散会
  ●第二十四回千葉教区教化研究会議
   平成十九年三月十五日 千葉県木更津市ホテルロイヤルヒルズ八宝苑にて開催
   テーマ「『二十一世紀の寺院運営㈼』〜寺院は生き残れるか!次世代の教師に問う〜」
   講演「寺院は生き残れるか」
中島隆信氏(慶應義塾大学教授)
   分散会
2、研究・調査活動
【1】左記の各プロジェクトチームにおいて、それぞれ研究・調査を進めた。
  ●現代と教学プロジェクト
  〈松森孝雄・藤崎善隆・小瀬修達・山崎斎明・武藤晃俊各研究員、新間智照顧問、早坂鳳城・吉田弘信・有本智心各嘱託〉
   ①法華経差別経批判に対する見解
   ②『創価学会批判』復刻
  ●教団・教化プロジェクト
  〈宇都宮恵禎・伊藤美妙・馬島浄圭・野村佳正・中村龍央・山田孝行・原顕彰各研究員、久住謙是・木村勝行・影山教俊各顧問、馬渡竜彦・野村環右・岩本泰寛・遠藤了暉・成田東吾・鈴木大道・松本真美・松田英秀各嘱託〉
   ①男女共同参画—僧俗一体の日蓮宗
   ②過疎地寺院対策(94定宗で過疎地域寺院活性化検討委員会発足)
   ③ご降誕八〇〇年(二〇二一)時の社会予測—寺院の公益性と少子化
   ④IT(中央教化センター機能・データ・電子会議・現宗研HP)
  ●現代社会プロジェクト
  〈坂輪宣政・大西英充・齊藤政通・川名湛忍各研究員、石川浩徳・新間智照・伊藤如顕各顧問、石原顕正・石川修道・牟田口義隆・小林貫誠・黒木源章・梅森寛誠各嘱託〉
   ①環境問題
   ②立正平和運動—仏教的価値観に基づいた意見表明
   ③生命倫理
   ④新宗教
  ●教研会議プロジェクト
  〈小瀬修達研究員、西口玄修・灘上智生・有本智心・馬渡竜彦・石原顕正・岩本泰寛各嘱託〉
【2】研究講座・教化学研究集会・研究懇談会を開催した。
  ●九月二十八日、教化学研究集会を大阪府高槻市高槻現代劇場市民会館に於いて開催した。
   講演「末法に生きる私達は何故お題目を唱えなければならないのか」
庵谷行亨師(立正大学仏教学部教授)
  ●十一月二十九日、第七回教化学研究発表大会を宗務院に於いて開催した。
   「『創価学会批判』を復刻して」
伊藤立教師(三重県本覚寺住職・現宗研主任)
   「宗祖生国の先住者—安房に移住した阿波忌部族の動向について—」
石川修道師(東京都法華寺住職・現宗研嘱託)
   「明治初期の肉食妻帯について」
坂輪宣政師(東京都妙圓寺修徒・現宗研研究員)
   「不軽菩薩と人権思想」
冨田啓暢師(三重県本乗寺住職)
   「日蓮聖人にまつわる阿波の伝承」
萱間顕誠師(徳島県法華寺住職)
   「もう一度問おう『環境』『平和』『いのち』」
梅森寛誠師(宮城県法運寺住職・現宗研嘱託)
   「法華経差別経典批判への反論」
早坂鳳城師(愛知県常唱寺修徒・現宗研嘱託)
   「『無防備平和都市条例』に取り組もう」
三好龍孝師(大阪府本澄寺住職)
   「高野遊行の標(しるべ)—番神のゆくえ—」
三谷=cd=21a9=cd=63cd師(大阪府観世音寺住職)
   「末法の信行は但行礼拝」
服部即明師(愛知県泉龍寺住職)
   特別発表
   「『願い』—臨床(布教・伝道)の現場に聞く—」
     山口依乗師(札幌市安楽寺衆徒・浄土真宗本願寺派布教使・女性教誨師)
  ●十二月十五日、教化学研究集会を秋田県秋田市秋田キャッスルホテルに於いて開催した。
   講演「『立正安国論』と現代の布教について」
庵谷行亨師(立正大学仏教学部教授)
  ●平成十九年二月七日、第十七回法華経・日蓮聖人・日蓮教団論研究セミナーを、講演を公開講座とし、セミナー懇談会を宗務院で開いた。
   テーマ「少子高齢化のなかで伸びる日蓮宗」
   講演「お寺は生き残れるか—経済学の視点からみる存在意義と将来の展望—」
中島隆信氏(慶應義塾大学商学部教授)
【3】研究発表
  ●第五十九回日蓮宗教学発表大会にて研究発表を行った。
   「東都日蓮宗寺院の変容—江戸から東京へ—」
坂輪宣政師(現宗研研究員)
   「律蔵経典群に見えるインド仏教の医療観」
影山教俊師(現宗研顧問)
   「宗祖生国の先住者—安房に移住した阿波忌部族の動向について—」
石川修道師(現宗研嘱託)
【4】研究例会
  ●研究員が各自のテーマに沿って研究・調査を行い、研究発表を行った。発表テーマと発表者は次の通りである。
   「明治期仏教の一考察」坂輪宣政師
   「宗門と国家」野村佳正師
   「宗教性とスピリチュアリティ」齊藤政通師
   「宗義大綱における本尊の成立について」
小瀬修達師
   「ビルマ民主化問題と仏教の行方」馬島浄圭師
   「新たな教化方法の模索」川名湛忍師
   「宗勢調査にみる寺族の動向」宇都宮恵禎師
   「日蓮聖人と国家」藤崎善隆師
   「仏教における女性観の変遷」伊藤美妙師
 【5】現地調査
  ●五月九日〜十二日、山口県に於いて過疎地寺院調査を行った。
  ●五月十六日〜十八日、徳島県に於いて「日蓮聖人種姓考および阿波忌部族」に関する伝承学調査を行った。
  ●六月一日、東京都東村山市に於いて都市開教調査を行った。
  ●十月五日〜七日、新潟県佐渡市に於いて研究員現地研修会を行った。
  ●平成十九年一月二十三日〜二十四日、愛媛県に於いて、平成十九年度中四国教区教化研究会議の基調講演資料作成のため、讃美こども会に関する現地調査・資料収集を行った。
3、出版・資料収集
【1】「現代宗教研究」第四十一号を編集し、全教師に配布した。
【2】教団史研究資料の一つとして、各種資料より「平成十七年日蓮宗年表」を作成し、全教師に配布した。
【3】新宗教関係資料を収集し、保管した。
【4】各種伝道教化に関する資料を収集し、保管した。
【5】伝道・教化・研究に必要な図書を購入した。
【6】今年度購入・寄贈図書のコンピュータ管理のための蔵書整理とデータ作成を行った。
4、研究交流・会議
【1】五月二十日、東京都豊島区大正大学に於いて開催された「第十四回日本近代仏教史研究会研究大会」に参加した。
   研究発表「近代社会における仏教の位置—矢吹慶輝を中心に—」
江島尚俊氏(大正大学大学院)
       「浦潮本願寺の成立と発展」
松本郁子氏(京都大学大学院)
       「『闢邪管見録』の考察」
三浦周氏(大正大学総合仏教研究所)
       「戦後台湾における日本仏教の活動」
藤井健志氏(東京学芸大学)
   特別講演「戦没者慰霊研究の課題」
孝本貢氏(明治大学)
【2】五月二十四日、京都府京都市浄土真宗本願寺派宗務総合庁舎に於いて、「第三回生命倫理研究部会」が開催され、参加した。
  発題「曹洞宗の生命観—いのち—」
竹内弘道師(曹洞宗総合研究センター)
    「浄土宗の生命観」
袖山榮輝師(浄土宗総合研究所)
    「浄土真宗における『いのち』の見方」
高田文英師(浄土真宗本願寺派教学伝道研究センター)
    「大本の生命観について」
斉藤泰氏(大本教学研鑽所)
【3】五月三十一日、宗務院に於いて、教区教研連絡会議を開催した。各教区教研の前年度運営委員代表と本年度運営委員代表が出席して、前年度の報告と本年度の計画を聞き、教研会議運営について話し合った。
【4】六月二十九日、宗務院に於いて、第二十一回「教化センター連絡会議」を開催した。会議では、各センター発行の布教・教化・伝道資料の交換が行われるとともに、センター運営に関する問題点と各センター間の交流推進について話し合った。
【5】七月四日、東京都港区曹洞宗檀信徒会館に於いて、「第四回生命倫理研究部会」が開催され、参加し、発表した。
  発題「生命観について」
伊藤立教師(日蓮宗現宗研主任)
    「神道の生命観」
嶋津宣史氏(神社本庁教学研究所)
  講演「尊厳死問題—宗教者に求めるもの」
小松美彦氏(東京海洋大学海洋科学部教授)
【6】九月十九〜九月二十一日、北海道有珠郡洞爺サンパレスに於いて、「第十四回日本近代仏教史研究会夏期セミナー」が開催され、参加した。
  研究発表「開拓植民と宗教」大濱徹也氏
      「高崎仏教会の社会福祉事業」山本世紀氏
      「幕末維新期の蝦夷地における曹洞宗寺院の動向」田中洋平氏
      「総力戦下の浄土真宗寺院—本願寺派北海道教区を例として—」忍関崇氏
      「薩摩藩の廃仏毀釈」圭室文雄氏
      「明治初期における仏教教団の北海道植民」早島有毅氏
  基調講演「北海道観音霊場の成立と展開」
資延憲英氏
【7】十月十六日、京都府亀岡市天恩郷大本本部に於いて、「第五回教団付置研究所懇話会」が開催され、参加した。
  テーマ「宗教者である研究者の集える領域づくり」
  研究発表「『信心(宗教的実践)』と『教学(宗教的理論)』」
河野乗慶師(中山身語正宗教学研究所所長)
      「諸宗教の神秘主義的儀式—キリスト教と密教との比較」
          ペテロ・バーゲルマンス氏
(オリエンス宗教研究所研究員)
      「寺院がおかれている現代的問題への取り組み」
村上興匡師(天台宗総合研究センター研究員)
【8】十一月十六日、東京都千代田区衆議院第一議員会館に於いて、「『脳死』を人の死とする『臓器移植法』改悪を考える緊急院内集会—宗教界からの提言—」が開催され、発表した。
  見解発表大本教
真宗大谷派
日蓮宗
立正佼成会
  見解紹介浄土宗
曹洞宗
天台宗
【9】十一月二十八日、京都府京都市浄土真宗本願寺派宗務総合庁舎に於いて、「教学伝道研究センター公開研究会」が開催され、参加した。
  講演「尊厳死と法制化問題」
小松美彦氏(東京海洋大学海洋科学部教授)
【10】十二月十三日、愛知県名古屋市南山宗教文化研究所に於いて、「第一回宗教間対話研究部会」が開催され、参加し、発表した。
  テーマ「宗教における『救い』とは?」
  発題 ポール・スワンソン氏(南山宗教文化研究所)
影山教俊師(日蓮宗現宗研顧問)
【11】研究員会議・顧問会議・嘱託会議を開催し、研究所並びに研究のあり方などについて討議し、内容の充実に努めた。
【12】教区・管区主催の各種研究会議・研究会などに出席した。
 
 
平成十九年度現代宗教研究所事業計画案
1、教化研究会議
 ●第四十回中央教化研究会議
  期日 九月五日(水)〜六日(木)
  会場 宗務院
  教区教研運営委員や関心のある本宗教師の出席。
  運営会議を開き、内容を協議し、企画・運営などの要綱を決定する。会議資料を作成する。
 ●教区教化研究会議の開催運営
  全十一教区での開催運営。
  中央教研との関連を踏まえ、各教区・管区で教化の現場に関連するテーマを企画し、教化研究の充実を図る。
  教研運営委員と協議し、地域の独自性を加味し、企画・準備・運営に取り組む。
2、研究部門
 ●日蓮教学の現代化。中央教研や教化学研究発表大会の成果を踏まえ、研究員を中心に教学の現代化について研究を行う。
 ●教化学の研究。第八回教化学研究発表大会を開催し、教化のあり方、現代教化の方策を研究する。必要に応じて、教化学研究集会を開く。研究発表を通じて、中央教研と教区教研との交流をはかる。
 ●教団論の研究。第十八回法華経・日蓮聖人・教団論研究セミナーを開催し、現代の諸問題と教学・教化について研究をすすめる。
 ●新宗教研究。法華系新興教団を中心に、研究を行う。
 ●立正平和運動の研究。新宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」における立正平和運動の位置づけと、『立正安国論』奏進七五〇年(平成二十一年)の意義を考える。
 ●教団史研究。明治以降の近代日蓮教団史を中心として、他教団との関わりについて研究する。
 ●必要な研究調査のため、研究員・顧問・嘱託で分担してプロジェクトチームを構成する。
 ●研究例会。研究員各自のテーマをそれぞれの立脚点として、研究を継続し、成果を発表する。
 ●現宗研ホームページサイト上の「日蓮宗教化センター」を運用する。また、諸資料のデータベース化、各種事業の公開など新たな布教伝道方法を研究する。
 ●「仏教各宗教化関係研究機関連絡協議会」「教団付置研究所懇話会」「日本近代仏教史研究会」への参加。
 ●その他
3、調査部門
 ●お題目総弘通運動総括全教師アンケート結果をもとに、今後の教団のあり方を調査する。
 ●全女性教師アンケートの結果をもとに、男女共同参画にかかわる問題を調査する。
 ●過疎地寺院対策と新宗教活動実態について、全寺院アンケートを実施する。
 ●必要に応じてアンケート調査・現地調査を実施する。
 ●その他
4、資料部門
 ●各教化センターとの教化研究、布教資料などの交流を図り、収集に努める。
 ●図書を購入し、コンピュータで蔵書を管理する。
 ●視聴覚資料の購入・保管。
 ●各種教化資料を収集し、保管する。
 ●創価学会・顕正会など法華系新興教団に関する資料を収集し、保管する。
 ●「現代宗教研究」第四十二号の発行。
 ●「平成十八年日蓮宗年表」の発行。
 ●教化シリーズの発行。
 ●その他
5、会議
 ●教化センター連絡会議を開催し、四十五教化センター間の交流、情報交換などを行う。
 ●教区教化研究会議連絡会議を開催し、各教区の教研運営委員とともに各教区教研間の協力と調整を図り、一層の充実を目指す。
 ●研究員会議・顧問会議・嘱託会議の開催。
 ●その他
 

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