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お知らせ

記事公開日:2023年10月30日

国際宗教研究所・東洋英和女学院大学死生学研究所共催「生と死」研究会

【シンポジウム】
2023年度「生と死」研究会
「スピリチュアルケアと宗教者/非宗教者」
【主催】
国際宗教研究所・東洋英和女学院大学死生学研究所(共催)
【日時】
2023年10月28日14:40~17:50
【場所】
オンライン(ZOOM)
【シンポジウム】
[発題者]
中井珠惠氏(愛染橋病院/協立記念病院チャプレン)
山本佳代子(天理大学医療学部准教授)
[コメンテーター]
堀江宗正氏(東京大学/死生学・応用倫理センター)
和田信氏(大阪国際がんセンター心療・緩和科部長)
【コメント】
今回のシンポジウムでは、「宗教者」「非宗教者」それぞれの立場から発題され、テーマにもある通り「宗教者」と「非宗教者」によるスピリチュアルケアの提供はそれぞれにどのような違いがあるのかという事が大きな話題であった。
そもそも、スピリチュアルケアは「共通の思想的文化的枠組みを前提としない、個別的な営みとして」説明されていた。つまり、宗教やその思想に関係なく、提供されうるものであるという事である。
それに対し、宗教者がスピリチュアルケアを提供するにあたって、ケア提供者の宗教的信仰が提供者自身を支える機能を持っているという指摘もあった。
僧侶は、その活動を通して人間の様々な面に接することになる。スピリチュアルケアは、人間の生死や生きる上での苦悩、いわゆるスピリチュアルペインに寄り添い、ケア対象者と共に苦しみに向き合っていくことである。このように人間の根源的な苦に向き合っていくという事は、仏教の根本的な教えに通じているのではないだろうか。
僧侶は、お寺を中心として檀信徒をはじめ地域住民とも多く関わっている存在である。このような視点を持って、今一度周囲の人へ目を向けてみてはいかがだろうか。共に苦しみに向き合う事を必要としている人がいるかもしれない。また、それは僧侶自身もそうなのかもしれない。