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お知らせ

記事公開日:2019年04月26日

未来の仏教ラボ お寺葬 事例勉強会

【研究部会】
未来の仏教ラボ事例勉強会「お寺葬」

【主催】
未来の仏教ラボ

【日時】
2019年4月16日13時00分〜17時30分

【場所】
大阪府遍満寺

【講演】
「遍満寺のお寺葬」  河野清麿師(浄土真宗遍満寺副住職)

【趣旨】
「弔いにプロはいない、弔いするのは家族」という考えで行われている。
 
遍満寺のお寺葬とは、遺族にとっては「死」のプロセスを受け止める(グリーフ・ケアの)有効な方法であり、お寺にとっては聞いてもらえる、関係性を築く機会となっている。
まずは、安心と安全をつくることが大切である。
お寺葬を行なうと葬儀社、葬儀関連の人々にリスペクトが生じる。まずは学び、やってみることが大切であろう。葬儀社、葬儀職に依存するのでなく、自立しつつ、連携(チームケア)する。
 
弔いにおいて何ができて、何ができないかを考えることは必要であろう。
僧侶ができることは、「物語を聴く、みせる」ことであり、弔いの見本となり、送る人々(ご家族)を賞賛することである。
 
お寺葬の実施においては搬送業者がなにしろ必要である。葬儀社が直接行う場合もあるが、搬送業者に葬儀社が依頼するケースも多い。また、個人で搬送業者に依頼することも可能。
ご遺体をご家族で運ぶことは可能ではあるが、第三者が行うことは問題になる。
 
遍満寺のお寺葬では、個人の搬送業者がお寺へ搬送し、本堂外陣右側にある部屋へ。その後、リペアプラスというご遺体の衛生保存処置を行い、死後の変化を遅らせる方法をとる(通常の業者では、ドライアイス管理になるが、遍満寺では法医学者がスタッフのため、この方法が可能)。部屋は匂いがこもるため、エアコンに匂いを消す特別な設定をしてあるとのこと。
その後納棺、葬儀ディレクターの指導のもとご家族で納棺。通夜、葬儀となる。
 
重要なポイントは搬送業者を探す
個人の葬儀ディレクターを持つ。法医学者を求めることは難しいので納棺師、湯灌業者を知っておくことが必要ではないか?
祭壇は、本堂で行うため不用、花と仕出し屋は外注。花は地元、結婚式中心の業者、日比谷花壇となっている。仕出し屋は人員を出してくれる業者に依頼とのこと。
 
野辺のおくり研究会という勉強会をもっていて、住職が個人として、葬祭ディレクターや医学博士、司法書士と繋がっていることが大きい。
 
お寺葬を行なうために用意しなければならない重要なこと
遺体処理のために最低限度必要なことは、「手続き」、「搬送」、「火葬」であり、「手続き」には「届け出」、「搬送」には「納棺」、「火葬」には「予約」がそれぞれ必要となる。

必要なものは、棺、搬送車、骨壺である
故に搬送業者が必要である。また、火葬予約は遺族が可能。
死亡診断書、死亡届が出て初めてご遺体に触ることが可能になる。それなくして触ると、後に犯罪と考えられるケースもあり得るので注意とのこと。

【コメント】
現場に即した講義であったため、非常に実践的であり、お寺葬を実際に行う上で重要な用意、また関連する知識を教わった。
本堂併設の遺体安置における設備(エアコン)の問題など、実施において後から問題となるであろう箇所についてご指摘があり、非常に勉強になった。