ホーム > お知らせ > 第1回「お寺のための弔い委任講座ー死後事務委任契約で看取りと弔いのお寺に」

お知らせ

記事公開日:2019年04月04日

第1回「お寺のための弔い委任講座ー死後事務委任契約で看取りと弔いのお寺に」

【シンポジウム】
第1回「お寺のための弔い委任講座ー死後事務委任契約で看取りと弔いのお寺に」

【主催】
日本弔い委任協会

【日時】
2019年4月3日 10時00分~16時30分

【場所】
仏教伝道センタービル

【講演者】
[講師]
長井俊行(一般社団法人つむぐ代表理事)
元木翼(チェスナット司法書士法人代表)
池邊文香(せいざん株式会社)
森島達也(サーバントラスト信託株式会社)
星野哲(立教大学社会デザイン研究所研究員、元朝日新聞記者)
薄井秀夫(寺院デザイン代表)

【趣旨】
おひとりさまの檀家のお葬式は誰がやる?
お寺の檀家さんに、おひとり様のおばあちゃんがいおらっしゃいませんか?
あるいは、お子様のいないご夫婦がいらっしゃいませんか?
そういった方々が亡くなった時、お葬式は誰が行うのでしょうか?
さらに永代供養墓に申し込む方の大半は、子どもがいないということが理由で永代供養墓を選んでいます。
そういった方々が亡くなった時、お葬式は誰が行うのでしょうか?

永代供養墓に申し込んだのに、いつの間にか市の合祀墓に合葬
遺族がいない方が亡くなると、行政が面倒を見ることになりますが、その場合、お葬式が行われることは無く、火葬を行い、納骨をするだけです。
本人がいくら遺産を残していても、そのお金を使うことはできず、結局は直葬になってしまいます。
納骨についても、地域との関わりの深い昔からの檀家さんは、行政が菩提寺を探してくれるでしょうが、そうでない方、特に永代供養墓の申込者の場合、お寺に申し込んだことがわからず、自治体の合祀墓に合葬されてしまう可能性がかなり高いのです。
現代という時代では、ひとなみに弔われることもなく、自身の用意したお墓に納骨されることも無いということが当たり前のように起きています。
しかも遺産をたっぷり残しているのに、こうした状況になってしまう人が少なくないのです。  

お寺こそが「弔われない」不安を無くしていける
実はこうした方々の「弔われたい」という思いを実現するための仕組みがあり、死後事務委任契約と呼ばれています。
これまでもNPO法人や士業(司法書士・行政書士)などが、受け手となって行ってきました。ただ、この死後事務委任契約は、二十年以上の歴史と実績がありますが、まだまだ定着しているとは言いがたい状況です。
そこでこの度設立した「日本弔い委任協会」では、お寺を中心として地域のネットワークを構築し、この「死後事務委任契約」を利用して、このような方々の「弔い」を支援する仕組みを広めていきたいと考えています。
その最初の事業として、「お寺のための弔い委任講座──死後事務委任で看取りと弔いのお寺に」を行いたいと思います。
法律のことは苦手、地域とつきあいが無いのでネットワークをつくる自信が無いなど、お寺には様々な事情があります。個々の状況にあわせた仕組みを構築できるような内容です。 
檀家のおひとり様や子どものいないご夫婦の「弔い」が心配なご住職、永代供養墓に申し込んだ方々の遺骨がちゃんとお寺に納骨されるようにする責任があると考えているご住職など、様々な方に参加していただきたいと考えています。

【コメント】
弔い委任とは、おひとりさまのお檀家さんや後継のいない夫婦の生前からのサポート、死後の供養、雑多で煩雑な手続き等を一括して請け負う委任契約のことであり、いままで様々な団体がその活動を行ってきた。
一般社団法人つむぐは、あくまでもお寺が中心となり、死後事務委任契約という聞き慣れない名称ではなく、弔い委任という死後の供養を中心に据えた様々なサポートを行う社団法人である。
お寺が単体で行うには高すぎるハードルを、各地域にいる多方面の専門家(士業、葬儀社、信託、遺品整理、介護等々)と連携してお檀家さんの望む通りの弔いを実現しようとするというものであった。
例えば、お一人の生前から死後までの全てのケアを見て取っても、成年後見・身元保証・葬送・ 死亡後の手続き・財産関係・法事など、負担が重すぎる業務を、それぞれの分野へ外注し、チームとして包括的なケアを目指す。
その中でもお寺は、日頃のお檀家さんとの信頼関係があるからこそ、細やかなニーズや弔いに対する思いをすくい上げ、本当に必要とされるお寺として発展する可能性があるという内容の講座であった。
お寺だけではできないことを、地域の専門家とともに取り組んでいくことによってお檀家さんの死生観を一緒に見つめ直し、より良い弔いを捧げられるということで、受講者達も熱心に講義を聴いていた。