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お知らせ

記事公開日:2018年09月14日

葬式仏教価値向上委員会第20回研究会

【シンポジウム】
第20回研究会テーマ
「法事(年回法要)の価値を高める大会議ー法事の減少をくい止めよう!」

【主催】
寺院デザイン主催 葬式仏教価値向上委員会

【日時】
2018年9月13日 13時30分~4時30分

【場所】
仏教伝道センタービル

【講演者】
[講師]
薄井秀夫氏(寺院デザイン代表)

【趣旨】
法事(年回法要)の減少をくい止め、さらには法事を行う家を増やしていくため、「法事(年会法要)の価値を高める大会議」を行います。
参加者全員で、法事が減ってきている原因を探り、それをもとに、どうやったら法事の価値を高めていくかを考えます。

葬送の変化の原因は一様ではない
葬送の変化が年々激しくなっています。  
直葬や家族葬に見られる葬儀の小規模化はもちろん、樹木葬、永代供養墓、ビル型納骨堂、送骨などお墓のあり方の多様化などは、マスメディアでもよく採り上げられるようになりました。  
そうした変化の中で、地味ながらも根深い問題なのが、年回法要の減少です。
しかもこの変化は、ここ数年で急激なものになりつつあります。
 
その原因は、おそらく一様ではありません。
地域コミュニティの弱体化、イエ制度の崩壊が影響しているのは当然ながら、少子化、都市化の問題や、家族同士の遠慮、儀式の陳腐化、お布施に対する不信感など、様々な社会変化が重層的に原因となっています。

社会を批判しても始まらない、具体的な対策を始めよう
そうした現状に対して、
「最近の人はわかっていない」
「供養を大切に思わない人が増えている」
「子ども達に迷惑をかけたくないというのは思い上がり」

という苦言を呈する僧侶は少なくありません。  
しかし、わかっていないのは現代の人々なのでしょうか?
仏教側に責任は無いのでしょうか?  
社会のあり方が変化し、これまでの葬送との間にズレが生じてしまったことに、苦しんでいる人は少なくありません。  
仏教界のなすべきことは、こうした世の中をただ批判するのではなく、まずは、そうした社会状況の中にいる現代人を理解し、何をするかを真剣に考え、具体的な行動をすることだと思います。

実現可能な対策を
葬式仏教価値向上委員会では、これまで19回にわたって、葬式仏教に関わる様々な問題を学び、議論してきました。
20回目を迎える今回、会員の皆さまとともに、前向きの議論を交わし、具体的な対策について考えていきたいと思います。  
まずは、なぜ法事が減っているのか、なぜ現代人は法事に価値を感じなくなっているのか、など原因を探っていきます。
そして、それをもとに、どんな対策をとっていけばいいのかについての計画を考えます。
もちろん対策は、きれい事ではなく、実現可能で、具体的なものが求められます。

参加型、かつ実践的な大会議
今回は、実りある成果を得るために、議論された内容を集約して、かたちあるものとして、具体的な対策を生み出す予定です。
必要なのは、法事の価値を高め、減りつつある法事を逆に増やしていくための現実的なプログラムです。
 
研究会では、ワールドカフェ形式やフリーディスカッションを重ねる、参加型かつ実践型の話し合いを行います。  
葬式仏教価値向上委員会が、これまで議論を重ねてきた成果を、今回、具体的なものとしたいと思います。

【コメント】
葬式仏教価値向上委員会第20回研究会に参加して参りました。
現代の法事は、僧侶が主役となってしまっており、遺族は観客として粛々と観ているだけのものになってしまっています。
遺族を主体とした法事とは何か、なぜ法事が減少してきているのか、本当に遺族がやりたいと思える法事とは何か、について様々な意見を交換しました。
また、現代人の宗教離れは本当なのか、データを見ながら解説していただきました。
その中で見えてくる、現代人が宗教に求めているもの、それを宗教者としてどのように体現していくのかについても講義をいただきました。
退屈でつまらない、何をしているのかわからない法事から、またやりたいと思える法事へ、多くの気付きがあった研究会でした。