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お知らせ

記事公開日:2017年11月18日

第4回学術研究大会 日本「祈りと救いとこころ」学会

【シンポジウム】
第4回学術研究大会 日本「祈りと救いとこころ」学会
テーマ:グローバルな共生の道を求めて

【主催】
日本「祈りと救いとこころ」学会

【日時】
2017年11月18日 9時~18時30分

【場所】
東京都豊島区 ホテルメトロポリタン3F 富士の間

【講演者】
大会長講演 加藤敏氏(小山富士見台病院・自治医科大学)
「愛し合い、憎しみ合う人間に共生は可能か」

特別講演 宮本久雄氏(東京純心大学・東京大学)
「J・バニエと共生への途」

記念講演 キャロル・サック氏(日本福音ルーテル社団(JELA))
「ハープと歌による生きた祈り」

[シンポジスト]
シンポジウム①

黒住眞氏(東京大学)
末木文美士氏(国際日本文化研究センター・東京大学)
石川公彌子氏(明治学院大学)
指定討論
川本隆史氏(国際基督教大学・東京大学)
シンポジウム②
高橋原氏(東北大学)
森裕子氏(上智大学・カトリック援助修道会)
清水加奈子氏(自治医科大学)
玉置妙憂氏(空海記念統合医療クリニック)

【趣旨】
大会長を務める貴重な機会を与えていただいたことに感謝します。
私は、40年余りにわたり精神科臨床に携わり、多くの患者さんとの出会いのなかで、患者さんからいろいろなことを学ばせていただいております。若い夫婦で、熱烈な恋愛の末結婚し子供に恵まれた途端に、夫の態度が急に変わって、妻が毎日のように理不尽な暴力を受けるようになりPTSDを発症した事例、また高齢の夫婦で、夫が浮気をしていると(偽りの)確信をし、妻が夫に暴力を働く事例など、愛と憎しみにまつわる錯綜した問題もその1例です。
人と人の間で良好な安定した絆を築くことがいかに難しいかを、臨床現場で痛切に思い知らされております。
国と国との関係も同様で、人類の歴史は戦争の繰り返しであるということもできます。
霊長類のなかで、命が絶えた仲間のために墓をつくるのは人間だけで、ここに宗教の原点があるのかもしれません。

人間の攻撃性は、動物と違い際限がなく、大量殺戮にさえ発展します。そうした攻撃性をいかに統制するのかについても、宗教はさまざまな教えを説いてきました。しかし、人倫の道を説くはずの宗教においても戦争が絶えません。
このような人間の野性的な生きざまを頭において、今回の基調テーマを「グローバルな共生の道を求めて」とし、現代において、人々がいかにより良い生き方ができるのかについて、さまざまな角度からあらためて考えてみたいと思います。
特別講演を、ヘブライ思想を端緒に現代社会の在り方に鋭い論を展開している宮本久雄教授にお願いしました。
シンポジウムとして、「宗教の共生」と「亡き人との共生」の2つを企画しました。さまざまな領域で活躍されている専門の方による活発な討議を聞けることと思います。
また、ハープを奏でながら病んだ人の心の癒しを実践しておられるサック・キャロル女史に、ハープ演奏を交えてお話していただきます。
各演者の発表を導きの糸にして、皆で共に考え議論し、実りのある学会になることを切に願います。
(大会長挨拶文より抜粋)

【コメント】
臨床に携わる医療者や、宗教者が共に集い開催されているとても稀有な学会であるかと思います。今回で4回目となり、その内容もとても示唆に富んだものでした。他者との相互理解の重要性、臨床現場においても医学だけでは説明しきれない・対応しきれないことがあり、宗教との連携の必要性も確認されました。