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お知らせ

記事公開日:2017年03月28日

葬式仏教価値向上委員会 第14回研究会

【シンポジウム】
葬式仏教価値向上委員会 第14回研究会
「台湾仏教から見えてくる日本仏教のあり方
 ──なぜ台湾仏教は求められているのか? 」

【主催】
株式会社 寺院デザイン

【日時】
2017年3月28日 13時30分~16時30分

【場所】
仏教伝道センタービル 7階会議室「見」の間

【講演者】
奥村浩基 氏(輔仁大学 宗教学 元教授)

【趣旨】
存在感が失われつつある日本仏教
社会のあり方が変化する中で、仏教はだんだんと存在感を失いつつあります。  
現代では、お寺が地域の中心だったという話も、
仏壇が家庭の中心だったという話も、
お寺が地域の悩み相談所だったという話も、
みな遠い昔話のようになってしまいました。  
お寺とのつきあいは「やっかいなもの」「面倒なもの」であり、
「面倒なお寺とのつきあいを、どうやったら減らしていくことができるか?」と
考える人が多数派をしめるようになってきました。

勢いを増す台湾仏教

ところが、お隣の台湾では、
仏教が、大きく勢いを増しているのをご存じでしょうか?  
台湾仏教は、仏光山、慈済基金会、中台山、法鼓山の四大宗派が中心となって
活動がなされています。
そしてそのルーツは、中国の禅宗です。
1949年に中華民国政府が台湾に移転した後、
中国本土から渡ってきた指導者らが中心となって、
独自の発展を遂げてきました。  
そしてほとんどの台湾仏教は、
「人間仏教」をスローガンに活動を続けています。
日々の人間の営みの中で、
どう仏教を活かしていくかということが台湾仏教の大きなテーマなのです。
そしてその活動は人々に安心と救いをもたらし、
1980年代以降、急速に信者を増やしてきました。

社会実践を重んじる

あまり知られていないことですが、
東日本大震災の時に、
海外の団体で最も多額の義援金を被災地に届けたのは、
この四大宗派のひとつである慈済基金会(※)で、
( ※組織形態としては宗教団体ではなくNGO(世界最大の仏教NGO)であるが、
台湾では四大宗派のひとつとして理解されている。)
その額は85億円と言われています。
金額だけでなく、その動きも迅速で、
震災後すぐに被災地に入り、支援を行ってきたことも、注目に値します。  
また近年、日本国内で注目されるようになってきた「臨床宗教師」ですが、
台湾では1990年代に臨床仏教師の育成が始まり、
宗教者が常駐する病院が市民権を得つつあります。
特に、終末期の患者や家族のケアへの取り組みは、
世界の中でもかなり先進的なものとなっています。
仏教による看取りが、言葉の上だけでなく、現実に実践されているのです。  
台湾の仏教は、とても社会福祉の意識が強く、
信仰に基づいた社会実践というものを重んじているのです。
むしろ、社会実践を重んじているからこそ、
人々はそこに参加したいと思い、活動が広がっていくのではないでしょうか?

台湾でなぜ仏教が人々を惹きつけるのか

今回の葬式仏教価値向上委員会では、
輔仁大学や仏光大学(四大宗派のひとつ仏光山の宗門大学)で教鞭をとられていた
奥村浩基先生をお呼びして、
「台湾仏教から見えてくる日本仏教のあり方」についてお話ししていただきます。  
台湾でも日本と同様、都市化や個人化などが進んでいます。  
奥村先生には、そんな台湾で、
仏教が発展を続ける理由は何なのか?
そもそも台湾の仏教とは、どのようなものなのか?
看取りにはどのように関わっているのか?
などについてお話しいただこうと思っています。
そして日本仏教との違いについてお話しいただき、
これからの日本の仏教やお寺が、
どのような方向に進むべきなのかについてのヒントをいただきたいと思っています。
(HP抜粋)

【コメント】
台湾仏教の歴史や特色、台湾人の気質や僧侶に対する意識など、またそれらを元にして台湾仏教の僧侶たちがいかにして活動をしているのか、実際の事例を元に詳しく講義がありました。講義の後、講師も混じって、参加者相互の情報交換会がなされました。台湾と日本の社会的土壌や人々の仏教や僧侶に対する意識の違いを認識しながら、台湾仏教の様々な活動から学ぶべきことがあることを確認しました。