ホーム > お知らせ > 日本宗教連盟 第5回宗教文化セミナー

お知らせ

記事公開日:2017年03月13日

日本宗教連盟 第5回宗教文化セミナー

【シンポジウム】
日本宗教連盟 第5回宗教文化セミナー 宗教者が担う社会活動 ―宗教教誨師、チャプレン、臨床宗教師の現場から―

【主催】
公益財団法人 日本宗教連盟

【日時】
2017年3月13日 13時30分~17時

【場所】
聖路加国際病院本館トイスラーホール

【講演者】
猿渡昌盛 氏(府中刑務所所属教誨師・大國魂神社宮司)
ケビン・シーバー 氏(聖路加国際大学キリスト教センター主任チャプレン・司祭)
鈴木岩弓 氏(東北大学大学院文学研究科教授・実践宗教学寄附講座兼任教授)

【趣旨】
私たちは、常日頃から様々な社会活動に支えられて快適な生活を送っています。たとえば、企業や自治会など各種団体が行う清掃活動や環境保全活動、小学生の通学を見守る交通指導員や町の安全を見回る消防団などが一般的によく知られています。一方、身近なところでは行われていない活動ですが、人々のこころを支える大切な社会活動の一端を宗教者が担っています。

一つは「宗教教誨師」と言われる活動です。「教誨」とは、様々な理由から罪を犯してしまったために矯正施設に入っている人々に対して、民間の篤志の宗教者がそれぞれの教えに基づいて、一人ひとりのこころの葛藤に寄り添い、罪の自覚と反省を促しながら改善更生へと導く活動をいいます。矯正施設では一人ひとりの信教の自由が尊重され、宗教行事に参加できるようになっており、要望があれば宗教教誨が提供されます。守秘義務があるため一般に知られていませんが、社会復帰に寄り添う地道で大切な活動です。

もう一つは、主に医療や介護の現場で活動する「チャプレン」や「臨床宗教師」です。私たちは病や死に直面したときに、こころや精神の痛み、いつかは訪れる「死」への恐怖などで混乱すると言われています。そういった心の痛みに寄り添い、精神的なケアを行うのがチャプレンや臨床宗教師の活動です。チャプレンはもともと海外を中心に、キリスト教の精神から医療現場のみならず学校や政府、軍隊などの施設に置かれ、人々のこころに寄り添う活動を行ってきましたが、その活動は日本ではあまり知られていません。臨床宗教師については、東日本大震災の経験から故岡部健医師が提唱したもので、宗教各派を超えて活動する、日本人の宗教性にふさわしい新たな宗教者のあり方として、今後の活動に期待が持たれています。

国や行政では担うことができない、宗教教誨師、チャプレン、臨床宗教師のそれぞれの現場から、一人ひとりのこころに寄り添い、「いのち」を支える宗教者の社会活動について考えてまいります。
(HP抜粋)

【コメント】
各講演者から詳細なご報告がなされました。チャプレンの活動からは、匿名のもと具体的な事例が挙げられ、実際の現場でどのような問題が起こり、どのようにチャプレンが介入しサポートしていくのかを窺い知ることが出来ました。臨床宗教師の活動からは、多くの日本人が持つ信仰上のズレや寛容さが挙げられ、より特定の宗教色を排した臨床宗教師が、自らの信仰を持ちながらも、対する相手に寄り添っていくという姿が印象的でした。