記事公開日:2017年01月27日
第16回親鸞仏教センター研究交流サロン
【研究交流サロン】
宗教と国家
【主催】
親鸞仏教センター
【日時】
2017年1月25日 18時~20時50分
【場所】
親鸞仏教センター3階
東京都文京区湯島2−19−11
【講演者】
保坂俊司(中央大学総合政策学部教授・比較宗教学)
【趣旨】
宗教と国家との関係を、私たちはどのように考えるべきなのでしょうか。また、国家や社会の問題に対して、宗教者はどのように関わるべきなのでしょうか。
このような問いに対して、「国家と宗教は関わるべきではない」という答えもあるでしょう。確かに現在の日本は、「政教分離」を原則としています。また、明治以降の対外戦争を宗教が正当化し、宗教者が擁護していた事実も見逃せません。国家と関わることによって、宗教が宗教としての意義を見失い、国家の政策を翼賛するだけの存在に堕する可能性があることは、歴史が示すとおりです。
しかしだからと言って、宗教は国家・社会の問題に背を向け、無視しても良いということにはならないでしょう。そもそも信仰が人間のものである以上、その人間が所属する国家や社会と宗教が、無関係でいることはできません。
さらにイスラームのような、政教一元を基本とする宗教があります。現在もイスラーム圏の人口は増加する傾向にあり、世界人口の三分の一がムスリムとなる時代も、遠くはないと言われています。彼らと共に歩むためにも、その思想や価値観を無視することはできません。また、私たちが様々な宗教の考え方から学ぶ点も、決して少なくないはずです。そのため、国家や社会に対する宗教の在り方も、あらためて考えてみるべきではないでしょうか。宗教間の対話を探るうえでも、これは不可欠な問題に違いありません。
そこで、このたびの研究交流サロンでは、時には流血や紛争にも繋がる国家と宗教の問題を考えるため、様々な宗教の国家観に関する資料を収集し、分析されている保坂俊司氏から、仏教・キリスト教・イスラームの国家観について発題をいただきます。そこからあらためて、宗教は国家と社会の問題に対し、いかに関わるべきかを考えてまいりましょう。
【コメント】
親鸞仏教センター主催の研究交流サロンに参加してきました。スタッフも併せて20数名の参加者の中、保坂先生から一時間ほどの発題の後意見交換を行いました。
参加者には、研究者や元記者の方、法曹関係の方と実に様々な方々が参加されておりました。研究者・宗教者の参加が多いのでは、と考えていたのですが、
様々な分野からの参加者をみて、今宗教に対する関心の大きさを感じました。