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貞観政要 2000年01月 発行

衛尉少卿兼修国史弘文館学士臣呉競撰并びに序

有唐の良相、侍中安陽公、中書令河東公と曰ふ。時、聖明に逢ひ、位、宰輔に居るを以て、寅みて帝道を亮かにし、王政を弼け諧へ、一物の所に乖かんことを恐れ、四維の張らざらんことを慮る。毎に己に克ち精を励まし、緬かに故実を懐ひ、未だ嘗て乏しきこと有らず。太宗の時、政化良に観る可きに足り、振古よりして来、未だ之れ有らざるなり。世に垂れ教を立つるの美、典謨諌奏の詞、以て大猷を弘闡し、至道を増崇す可き者に至りて、爰に下才に命じて、備に甄録を加へしめ、体制大略、咸く成規を発す。〔▽二五頁〕
是に於て開く所を綴集し、旧史を参詳し、其の指要を撮り、其の弘綱を挙ぐ。詞は質文を兼ね、義は懲勧に在り、人倫の紀備り、軍国の政存す。凡て一帙十巻、合はせて四十篇。名づけて貞観政要と曰ふ。庶はくは国を有ち家を有つ者、克く前軌に遵ひ、善を択びて従はば、則ち久しかる可きの業益々彰はれ、大なる可きの功尤も著はれん。豈に尭舜を祖述し、文武を憲章するを仮るのみならんや。其の篇目次第、之を左に列す。〔▽二六-二七頁〕

第一 君道 政体
第二 任賢 求諌 納諌
第三 君臣鑒戒 論択官 論封建
第四 太子諸王定分 尊敬師伝 教戒太子諸王 規諌太子
第五 論仁義 論忠義 論孝友 論公平 論誠信
第六 論倹約 論謙譲 論仁惻 慎所好 慎言語 杜讒邪 論悔過 論奢縦 
   論貪鄙
第七 崇儒学 論文史 論礼楽
第八 務農 論刑法 論赦令 論貢賦
第九 議征伐 議安辺
第十 論行幸 論畋猟 論祥瑞 論災害 論慎終〔▽二七-八頁〕