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お知らせ

記事公開日:2018年12月16日

第1回 日本GRACE研究会 年次大会

【シンポジウム】
第1回 日本GRACE研究会 年次大会
ーGRACE研究会の立ち上げと今後ー

【主催】
日本GRACE研究会

【日時】
2018年12月16日 13時30分~18時

【場所】
昭和大学 上條講堂

【講演者】
[講師] 瞑想と導入
藤田一照氏(曹洞宗僧侶)
[講師] 特別講演 「GRACEの本質とは?」
ジョアン・ハリファックス氏(ウパヤ禅センター 創設者)
木蔵シャフェ君子氏(通訳・一般社団法人マインドフルネスリーダーシップインスティテュート理事)
[司会] シンポジウム 「GRACEの実践に向けて」
恒藤暁氏(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 教授)
[シンポジスト] 
髙宮有介氏(昭和大学医学部 医学教育学講座 教授)
栗原幸江氏(都立駒込病院 緩和ケア科 心理療法士)
朴順禮氏(慶應義塾大学 看護医療学部 専任講師)
笹良剛士氏(友愛会南部病院 緩和ケア医)
[コメンテーター]
ジョアン・ハリファックス氏(ウパヤ禅センター 創設者)
[司会] グループワーク 「コンパッションとは何か」
中野民夫氏(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 教授)
浦山絵里氏(ひとづくり工房ゑすこ代表 ナースファシリテーター)
[講師] 歌う瞑想
中野民夫氏(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 教授)

【趣旨】
GRACEは、医療人類学者であり仏教の師でもあるジョアン・ハリファックス老師が、ケアする自分自身のあり方や死生観について体験的に探求する「Being With Dying(死にゆく過程と共にあること)」というプログラムを、最新の脳科学や認知科学の成果に基づいて整理し、コンパッション(compassion:慈悲心・思いやり)に根ざしたケアのあり方を育むために構築されたトレーニングです。GRACEは、1)Gathering attention(注意を集中させる)、2)Recalling intention(動機と意図を想い起こす)、3)Attunement to self/other(自己と他者の思考、感情、感覚に気づきを向ける)、4)Considering what will serve(何が役に立つかを熟慮する)、5)Engaging and Ending(行動を起こし、終結させる)とそれぞれの頭文字をとった5つのパートから構成されます。今回は、GRACEの生みの親であるハリファックス老師を招いての研究会です。是非、ご参加ください。
(日本GRACE研究会HP 抜粋)

【コメント】
当日は講堂いっぱいの参加者があり、特に医療従事者や医学教育に携わる方々の関心の高さが感じられた。僧侶の参加者も数名いた。大会運営者や各講師・シンポジストは、2015年から日本でも行われ始めたGRACE研修の修了者であり、この度の研究会立ち上げは、さらに日本でGRACE研修を広めていこうとする意気込みが感じられた。すでに仏教由来のマインドフルネスがストレス低減やケアに有効であることが受け入れられ、日本でも様々な場所で活用されているが、多くの場所で活用されるほどに本質であるはずの仏教色が薄められていっているような印象も受ける。GRACEは医療人類学者であり仏教の師でもあるジョアン・ハリファックス老師が、最新の脳科学や認知科学の成果に基づいて整理し、コンパッション(compassion:慈悲心・思いやり)に根ざしたケアのあり方を育むために構築されたトレーニングであり、コンパッション(慈悲心)を強調する。マインドフルネスが日本でも流行する中で、瞑想を軸に慈悲心に至る道を強調していながらも、医療者にもこれほどに受け入れられ、その推進を図られていることは、とても興味深く、今後の発展性が感じられた。