記事公開日:2017年11月06日
仏教と自死に関する国際シンポジウム11/6
【シンポジウム】
仏教と自死に関する国際シンポジウム
【主催】
孝道教団・国際仏教交流センター(IBEC)
[共催]
Japan Network of Engaged Buddhists(JNEB)
浄土真宗本願寺派総合研究所
龍谷大学アジア仏教文化研究センター
曹洞宗総合研究センター
臨床仏教研究所
大正大学地域構想研究所・BSR推進センター
自死・自殺に向き合う僧侶の会
[後援]
公益財団法人全日本仏教会
【日時】
2017年11月06日 9時~17時
【場所】
孝道山本仏殿 大黒堂会館二階大広間
【講演者】
[報告者]
竹島正氏(川崎市精神保健センター長)
津田多佳子氏(川崎市保健師)
宇野全智氏(曹洞宗総合研究センター)
小川有閑氏(自死・自殺に向き合う僧侶の会)
袴田俊英氏(心といのちを考える会)
プラーワッテ・タンティピワタナスクン氏(国立タイ健康促進協会)
根本紹徹氏(いのちに向き合う宗教者の会)
【趣旨】
世界のあらゆる発展途上地域で保険衛生や貧困の問題が途絶えることなく続く一方、先進諸国においては数十年来、幸福度が下がっていると言われています。経済不況に陥りだした90年代末に自殺率が急上昇し、その後、長年横ばい状態であった日本は、その典型例です。自死や様々な精神疾患は日本(世界17位、10万人中18.5人)や韓国(世界2位、28.9人)など、競争社会でありつつ、自己犠牲を要求する傾向も強い東アジア諸国で深刻な問題になっています。こうした社会構造のなかで生じる精神的ストレスは、アジアのいわゆる新興国でも増大傾向にあり、たとえばスリランカ(世界3位、28.8人)、ネパール(世界7位、24.9人)、インド(世界11位、21.1人)でも自死が急増しています。
この10年ほどの間に、自死の問題に積極的に関わろうとする僧侶たちが各所でさまざまな活動を始めています。電話相談やインターネットでのカウンセリング、グループ・カウンセリング、法要、コミュニティー作りなどの実践が行われています。
こうした仏教界の動向をより進展させるために、さらにこの事業を通じて、自死という具体的な社会課題について、世界の仏教者が対話し交流することにより、相互理解を深めることを目的とします。関東の孝道教団・国際仏教交流センター(IBEC)とJapan Network of Engaged Buddhists(JNEB)、関西の浄土真宗本願寺派総合研究所と龍谷大学アジア仏教文化研究センター (BARC)の共催で、自死問題に取り組む国内外の仏教者たちが情報共有し、相互研鑽するための場として、2017年11月に国際会議を開催することとなりました。
[目的]
自死対策の現場で活動している日本の仏教者と、同様の経験・専門知識を有している/学ぼうとしている海外の仏教徒を結集させ、意見交換やスキル共有を行う。
参加者のそれぞれの地域での自死問題についての経験を共有し、その本質を議論する。
自死の構造的・文化的な原因を深く洞察する。
自死念慮者とその家族・友人に対するカウンセリングおよび自死発生後のグリーフケアに関するスキルの共有を行う。
自死の根本原因への対処やコミュニティ作りのための活動に関する共有を行う。
仏教者と行政との協力に関する情報共有。
(案内より抜粋)
【コメント】
行政での取り組みや、仏教者による取り組みが報告された。仏教者による活動も少しずつ増えてきてはいるが、まだまだ充分な拡がりとは言えないのだろう、各宗門全体での取り組みや、行政との連携の可能性を見つけていくことで、活動の輪を拡げていくことが望ましいように思われる。