記事公開日:2017年06月23日
第28回 愛宕薬師フォーラム
【シンポジウム】
第28回 愛宕薬師フォーラム
「臨床宗教師・傾聴・儀礼ー《幽霊》への対応から考えるー
【主催】
真言宗智山派 智山教化センター
【日時】
2017年06月23日 14時~16時30分
【場所】
別院真福寺 地下講堂
【講演者】
高橋原氏(東北大学大学院文学研究科 教授)
【趣旨】
東日本大震災以降、被災地の幽霊話がメディアに取り上げられてきました。幽霊を「見た」という人や、「取り憑かれた」という人など、この問題にまつわる不安を訴える人は少なくありませんでした。
しかし、「幽霊」が出るといっても、それは、「霊でもいいから個人ともう一度会いたい」という遺族の思いが表現されたものであると考えられます。あの世や死者の霊のことだけではなく、この世に生きる人間の心を受け止めなければ、「幽霊」には対処できません。被災地の宗教者たちが、「幽霊」の悩みを抱え人々の話に、どのように耳を傾け、対応しているのか。いくつかの例を紹介しながら、宗教者が人々の心のケアを行うとはどのようなことなのか考えていきましょう。
(案内文抜粋)
【コメント】
東北大学実践宗教学寄附講座にて、臨床宗教師の養成を行っている講師より、「臨床宗教師」の概要の説明がなされた後、心霊現象への対応として、東日本大震災後の幽霊譚報道や僧侶が実際に対応した事例を踏まえてご提示いただきました。教義とは違うと無碍にするのではなく、幽霊の話をするその人の心にどう寄り添い、どうケアを行っていくのか、大変示唆に富んだ学びの場でありました。